怪物ロナウドが通算最多得点14に並んだ。
爆撃機といわれたミュラーが自国開催の西ドイツで達成してから32年ぶりの快挙になった。
あと2点に迫っていたが、初戦から2試合足踏み。太って動きが鈍り、ゴールを忘れたと
マスコミから一斉に批判された。パレイラ監督は21日の練習で
「日本戦は調子を取り戻すチャンス。ゴールするまで、ピッチに立たせるつもり」と奮起を促した。
監督の意向をくんだロナウジーニョやカカが好パスを出し、記録づくりに懸命の後押し。
だが、目覚めは遅かった。
パスを受けても突破に威力がなく、坪井や中沢の堅守の網に簡単にかかった。
前半ロスタイムにシシーニョがハイボールで左に送ったパスが幸運を呼び込んだ。
中沢がシシーニョに気をとられ、フリーになった。頭で左すみに沈め、
「あれで、もやもやした気分が吹っ切れた。先取点を奪われた流れも変わると思った」
記録達成の2点目はストライカーの本領発揮。3-1でリードする気楽さもあった。
世界一の破壊力に日本の守備が切り裂かれ、お手上げ状態の中、右すみにたたきこんだ。
体調はまだ万全でない。
後半に入ってから休息するかのように前線で立ち尽くすシーンが何度もあった。
それでも、チャンスには、ぎらぎらと闘志を燃やした。「もちろん、記録に並んだことはうれしい。
でも、目的はあくまで勝利すること。やっとゴールができて自信を取り戻した」
とこの大会で初めて声が弾んだ。(ドルトムント共同)